キラキラ生活が全て嘘だった
知り合いのお店の女子大生のアルバイトの女の子の話
今も昔も夜のお店には若い子が夢を求めてやってきます。そういった意味では景気の波はあれども時代に左右されずにずっと続けていけるお仕事なんでしょうけど。
それでも今と昔で決定的に違うのはスマホやSNSの存在。
20年前は営業かけるのも電話だったり、文字数が制限されてるショートメールだったりと限られた手段の中で必死にお客さんとのつながりを持とうと皆がんばっていました。
でも今はインスタやLINE、XといったSNSが主流の時代。営業の方法も全然違ってきます。
その女の子は大学2年生くらいからうちに勤め始めたんですけど、とにかくSNSの使い方がうまくてすぐに売上上位にあがってきてました。
若い子が着飾って季節ごとのイベントや映えスポットで撮影した画像ってすぐにイイネ!が100以上つくのも当然といえばそうですけど。それだけ見ればキラキラ生活送ってる今ドキ女子って感じですもんね。
そして推し?って言うんですか、その子のファンがお店に途切れず来る感じで多分ある程度時間帯もコントロールしてたんでしょうけど、ファンがかぶることは少なかったです。
さらにファンからのプレゼントがまた凄くてひとつひとつはそんなに高価な物では無いけれども、1日に何度もプレゼントをもらい、その度に「欲しかったやつだ、その気持ちが嬉しいな」ってやりとりが毎回行われる。
その子のインスタには何かしらファンからもらったプレゼントがさりげなく置かれていたり身につけていたりして決して媚びない、おおっぴらにねだらないのにも関わらず、お客さんの方が欲しいものを想像して送るみたいな感じでした。
一見、調子よく順調そうなその子ですが、実生活では毒親から逃げ出すために必死に頭を使って水商売で家をでるためのお金を稼いでいたのはオーナーと私しか知らないことです。
インスタやLINEでは学生生活は順調そうな風だったけど親の都合で休学とか授業に中々行けないって相談をよくしてましたし、稼いだお金は親に取られたり彼女の生活費から学費とほぼ自分で稼いでいました。
友達と旅行に行った写真はパパ活相手とのお忍び旅行だったのも今時といえばそうですけど、彼女は割と抵抗なく受け入れるタイプの子だったので悲壮感とかは無くお店ではいつも明るく過ごしていたようです。
風の噂で聞いたのは
大学も無事に卒業できることになって就職も決まった彼女はきっぱりとお店を辞めたんですけど、いきなり辞めたからお客さんだった人からの問い合わせがしばらくはすごかったみたいです。その後数年してから風の噂で子供が出来て結婚したと聞きました。
それを聞いて彼女の苦労を知っていた人は良かったねーと思うくらい普段は普通の可愛いお嬢さんって感じで、まさか水商売やパパ活をやっている様には見えない「ちょうどよさ」が売りの彼女だったから、きっと良い奥さん、ママになってるんだろうなと勝手に思ってます。
やはり水商売をやっていると、魅せてる自分と本当の自分を使い分けちゃうから、実生活がだらしなくなっちゃう子が多いのも気持ちがわかります。演じるのに疲れちゃうんですよね。
たまに演じてる方が本当の自分だと思い込んじゃう子もいるんですけど、そういう子は無理して演じようとしていつか破綻することがほとんどでした。
辞めた彼女みたいに自分をコントロールしてお金を稼ぐためと割り切れる子って意外と少ないです。